平成20年1月29日発行   我孫子市史研究センター会報   第71号   通算378
編集:編集委員会 第71号 

 
「源頼朝 手植の松」屏風絵と旧布佐村の(はやし) 品田 制子

 旧布佐村には鎌倉初期の武将、和田義盛の一族が明応の頃まで居城したとか、和田氏の城址があったとか、さまざまな伝承や遺跡が残されている。「源頼朝公 手植の松」もその一つである。

下の屏風絵は、湖北の旧家に所蔵されているもので、会津若松出身の画家、志賀宏雲が「手植の松」を描いた作品である。宏雲の詳細については不明であるが、所蔵家の現当主の曾祖父が会津に農耕馬を求めに行った時、(ついで)に名所めぐりをし、その折に志賀と知り合いとなり、後日、来訪するようになったという。来訪すること数回、長い時で8ケ月も(そうろう)し、8畳一間を画室としていたという。

屏風絵は二曲一双(高約1.8メートル、横約3.6メートル)の墨絵で昭和16年晩秋、新木の不葺合神社の拝殿に上り、一週間位で一気に画き上げた大作である。「搏獣金眸夾凌空玉爪高」とあるように、「手植の松」に止息する鷲を(とら)え、金の(ひとみ)を夾み、玉のように丸くひろげた鋭い爪と、大きな翼を広げ、空高く(のぼ)らんとする様相を描いている。同1611月、東京都美術館で開催された泰東展に出品し入賞している。自らの飛躍を象徴しているかのようでもあり、さらに当時の世相から武運長久をも願っている。

この名木「手植の松」は面積にして4畝歩程もある見事な「四方枝葉」であったが、老松であることが屏風絵からも見てとれ、惜しいかな昭和50年末頃松喰虫で枯死し、現在の松は三代目だといわれている。


ところで、下総台地の土質は松に適合していたようで、布佐村は江戸時代、関東の所々にある御林(幕府直轄林)の中の一村で、御用材林があった。正徳元年(1711)以前、松並木が長さ1,420間(約2.6キロメートル)横2間(約3.6メートル)があり、御用薪として伐採された。これはおそらく、かつて布佐、布川経由であった水戸道中名残の松並木道であったものではなかろうか。

また、承応3年(1654)以前に植樹された御林が3166歩あったが、宝暦13年(1763)の記述では元御林となって、新御林66620歩が充当されている。

ペリー江戸湾来航の前年、嘉永5年(18525月、江戸城西丸が炎上、御普請御用材として松丸太が布佐村から送られている。翌6年には品川御台場築立御普請御用材松丸太が伐り出された。布佐村の御用材がどの台場に使用されたものか定かではないが、現在、第三台場が東京都の史跡に指定されており、海浜公園の一隅にあり、当時を偲ぶことができる。


源頼朝公手植えの松 志賀宏雲作

各部会の活動と予定

部会

講座名

担当者

歴史      

@古文書解読(日曜コース)

210(日)

PM 1:00

商工会館
F会議室

高田 明英 

テキスト 壬生藩「嘉永五年御用留帳

A古文書解読(火曜コース)

219日(火)

PM  1:15

アビスタ第2学習室

今村 昌人

テキスト 和宮様御通輿ニ付助郷一件諸事留 講師:千葉 忠氏

B研究講座

224(日)

PM 1:30

けやきプラザ我孫子南近隣センター

高木 繁吉

第5回「字誌」検討会

合同 C我孫子ハケの道今昔 歩く・見る・聞く 学習会
フェア展示検討・作業
216(土) PM 1:30 けやきプラザ10F活動ステーション
中澤 雅夫
運営委 12月度(展示、見学会など) 223(土) 940 活動ステーション 岡本 和男

合同部会月の活動(1/18

 (1) 市教育委員会文化財整理室(布佐南小学校に隣接)を訪れ、同室に保管されている馬頭観音、板碑などを見学させて頂いた。併せて馬頭観音の1つを31日(土)・2日(日)開催の「市民活動フェア in あびこ 2008」への当研究センター展示用にお借りする内諾を得た。

 (2) 上記小学校前の馬頭観音塔群を見学した。

  (3) その結果、216日(土)に配布資料の内容、展示物の説明文などの確認、展示ボードの作成などを行うこととなった。(以上参加者11名)

事務局便り

(新春の市史研は大忙し)

・本年31(土)、2(日)の市民活動フェア(アビスタにて開催)に市史研からは恒例の展示を行います。今回は合同部会が担当され、「我孫子の野仏」と題していくつかの石仏、板碑の写真や現物を展示し、地図にその所在を示す企画を進めています。簡単な解説シートや相馬霊場88ヶ所所在図などを用意する予定もあり、部会員の皆さんは張り切って準備を進めています。

315日(土)には本年度2度目になる講演会を行うべく、鶴見先生との連絡、日本民藝館から後援承諾の連絡を受け、各団体へのPR、チラシ・ポスターの作成、印刷などを進めています。会場は500名収容のけやきプラザにある‘ふれあいホール’、多くの聴衆に集まってもらえるよう準備したいと思います。財政厳しいため、会員含めて参加費500円をお願いします。どうぞ、親しい方々にも参加を呼び掛けて下さいますよう。

・恒例の史跡見学会はそんな訳で、少し後に暖かくなってから催すよう運営委員会で計画を立てたいと考えています。ご期待下さい。

(会員異動)

新入会員:星野 征朗さん(湖北台)’08/1、入会は古文書講座火曜コースですが、研究講座にもご興味をもっておられます。どうぞよろしく。

昨年すでに会員になられた方:千葉 美雪さん(東我孫子)、山下正信さん(布佐)のご紹介をせず、申し訳ございませんでした。お詫びします。'08.1末現在、顧問含め会員93名です。


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